人の名前とか間違えるのは失礼だ

記憶喪失から戻ってきた銀時は、人生のリスタート記念に溜まった家賃もリセットしようとお登勢に掛け合うが、無情にも大破した万事屋を１週間以内に修復しないと追い出す、と宣告されてしまう。仕方なく慣れない大工仕事に精を出すが、素人の銀時たちの手に負えるものでもなく、苛立ち暴走した神楽と銀時によって、万事屋は修理どころか更に破壊が進む有様。そんな彼らのもとに坂本からの小包が届く。中には手紙とともに、ちっちゃいオッサンが２人詰められていた。自らをデリバリー大工のウンケイとカイケイと名乗る彼らは、坂本が万事屋を破壊してしまったお詫びに送り込んで来た、天人の大工兄弟だったのだ。そして翌日……一晩のうちに万事屋を元通りに直してしまう彼らの見事な手腕を目の当たりにして、銀時の欲が頭をもたげる。以前には無かった豪華装備を「あった」と言い張り、伝説の大工・茂吉の寓話までしてウンケイ・カイケイに無理を強いる銀時たち。やがて企みに気付いた神楽、新八も悪のり。プライドを刺激されたウンケイ・カイケイは、やむなくそれに応じる。次々出される無茶な要求に、幾度となく帰ろうとしたウンケイと・カイケイだったが、その度に語られる茂吉の話に熱き大工魂を燃やしてしまうのだった。しかし、話が嘘だったのがバレ、今度こそ故郷に帰ろうとするウンケイ・カイケイ。だがそんな彼らの前に現れた銀時は言う。茂吉の話がウソであっても、茂吉はおまえ達の心の中にいる、と。話の中とはいえ大工魂を刺激された茂吉に近づいていることを実感したウンケイ・カイケイは再び万事屋に戻り、最後の仕上げにいそしむのだった。 そして新生万事屋は完成し、TV番組で紹介されることになった。レポーターが呼び鈴を押したその瞬間、ロケットのように発射され、空高くへと飛び去る万事屋…の外観。残された銀時は「誰か茂吉を呼んでこい」と冷静に呟くのだった……。